• NPV、IRRの概念
  • 不動産投資事業の評価額
  • 投資期間最終残存価値
  • NPVとDCF
  • 割引率としての調達資本コストとは

NPV、IRRの概念
|不動産投資の知識

2012-05-21更新

DCR、LTV、累積赤字解消ポイント等の手法が、デットつまり借入れ資金に対する評価尺度のツールであり、資本コスト、NPV、IRRの考え方は、デット、エクイティ全体の収益性の尺度であるともいえる。従来の利潤拡大を目指した投資形態の投資分析では、借入れに対する安全性だけをクリアしていればよかった。融資を行う金融機関に投資の適格性を説明するアカウンタビリティ(責任)しか存在せず、資本に対するコスト概念はまったくなかった。これに対して、現在では、コーポレートガバナンス(企業統治)の考え方に基づき、株主にとって投資収益性の妥当性を示すことが要求されるようになり、資本コストとの関係で投資の収益性が分析されなければならなくなった。資本コストの概念を認識することは、従来のような間接金融融資者に対する貢献だけではなく、出資者に対する貢献度を明確にし、バランスのとれた成長に寄与するものである。その意味において、資本コスト、NPV,IRRの概念は非常に重要である。

不動産投資に求められる効率性

不動産投資事業の収益性をキャッシュフローで判断するとき、当然時間的価値を考慮しなければならない。今年得られたキャッシュフローと来年のキャッシュフロー、さらには5年後のキャッシュフローでは、当然評価価値が違う。
ケース1
10億円の不動産投資から毎年5,000万円のキャッシュフローが得られるとする。投資期待利回りを5%として、今後10年間に得られるキャッシュフローを割り引くと、現在価値の合計は386,086,650円である。従来の不動産投資収支試算表では、毎年得られるキャッシュフロー5,000万円の累計の結果、10年後、5億円のキャッシュフローが得られることを示し、分析はそれで終わっていた。不動産投資から得られる収益を還元して現在価値に評価しなおすと、次のように表現される。
1年 50,000,000×0.952381=47,619,050
2年 50,000,000×0.907029=45,351,450
3年 50,000,000×0.863838=43,191,900
4年 50,000,000×0.822702=41,135,100
5年 50,000,000×0,783526=39,176,300
6年 50,000,000×0.746215=37,310,750
7年 50,000,000×0.710681=35,534,050
8年 50,000,000×0.676839=33,841,950
9年 50,000,000×0.644609=32,230,450
10年 50,000,000×0.613913=30,695,650
「合計386,086,650」